有香さんへ
ぼくも演奏中間違えることがあります。そのとき指揮者(顧問)はぼくのほ
うを見て間違えたなと言わんばかりニヤリと笑います。そしてぼくはごめん
ごめんと顔の前で両手を合わせて謝ります。
間違いはぼくの完全なミスで起きたことですが、自分でも分かっているので
先生はニヤリとするだけでそれ以上は何も言いません。
これはあくまでぼくと先生の関係がいいからだと思うのです。ぼくはこの先
生が好きだし尊敬しています。音楽だけではなくいろいろなことを教えても
らっています。
音楽、吹奏楽はひとりではできないものです。
それに練習での間違いやピッチのズレは恥ずかしいことではないと思いま
す。本番ではずした方が赤っ恥です。
普段の練習で違いをはっきり教えてくれる、指摘してくれるのはありがたい
ことだと思うのです。みんなの前で一人だけ注意されるというのはあまり気
分のいいものではありませんが、有香にはプラスなることだと思います。注
意されたことに意識をもって練習すれば以降同じ過ちはくり返さないことで
しょう。
最終的には聴いてくださるお客様のための演奏ではありますが、練習は人の
ためではなく自分のためにやることです。先生のために練習をするならやら
ない方がいいのではないのでしょうか。
あなた自身、音楽が好きならばいくらでも壁は乗り越えることができます。
でも、今の状況が嫌で嫌でしょうがないのなら部活から退くしかないでしょ
う。やりたくないのなら自分の気持ちをはっきり顧問の先生に直接は話をし
てみてください。嫌だとは思いますが。でも、逃げては通れない道です。
ぼくも何人か人間関係等で部活を去っていった仲間を見てきました。
本人がやりたくない辞めたいといった人にははっきりさよならといいまし
た。強制的に音楽をやってもらいたいとは思わないからです。
一方、本当はやりたいのに辞めろと先生から言われた人もいます。その人も
意地を張って練習に来ない日々が続きました。辞めろと言われて以来部活に
は来ないのにその人は中庭でいつも練習をしていました。ぼくも彼女が音楽
を誰よりも好きだという気持ちを分かっていたので先生にお許しをもらって
カムバックさせてこともあります。
ひとり抜けるということは車のタイヤがひとつなかったり、ハンドルがなく
て動かすことができないということに等しいのです。意味のないものは何一
つないのです。
有香さん、厳しさ、つらさに負けずに頑張ってください。
音楽は必ずあなたを幸せにしてくれます。人間はあなたを裏切ったとしても
も音楽は裏切ったり身をひるがえすということはありません。あなたが真摯
になって音楽と向き合えば素晴らしいものを手にすることができるでしょ
う。楽しい部活になることを願っています。
To:どぎゃぼ
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私の部活について