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768チャイコのシンバルはオイシイですね。頑張ってください。未聴であれば、
同作曲家の交響曲第4番4楽章、第6番「悲愴」3楽章をお聴きください。
参考になると思います。
オケものをやる場合、私は様式を意識することが重要だと考えています。
曲を挙げていただけるとアドバイスしやすいです。1812序曲でしょう
か。ぜひチャイコの曲を沢山聴き、「チャイコらしさ」がどこにあるのかを
研究してください。
チャイコフスキー(1840-1893)はロマン派ロシアの作曲家です。ロシア
はヨーロッパと隣接しているため、昔からクラシックが盛んでした。ドイツ
の古典派ベートーヴェンとロマン派到来を告げたフランスのベルリオーズに
より飛躍的に革新を遂げたクラシックは以降の作曲家によりさらに複雑化、
長大化し、また音楽に特定の情景や物語を取り込む「標題音楽」が生まれま
す。この中で異国への関心からチェコのドヴォルジャークやこのチャイコ、
フィンランドのシベリウスが人気を博すことになります。
当時ロシアには「ロシア5人組」と呼ばれる国民楽派、つまり自国の伝統
を尊重した芸術を模索した作曲家(ボロディン、リムスキー・コルサコフな
ど)がいました。一方でチャイコはヨーロッパの伝統を重んじ、そこへロシ
ア的な土臭さを漂わせる作風をしており、国民楽派とは一線を画していま
す。
長くなりましたが、チャイコが活躍した時代背景はこんなところでしょう
か。さて、芸術というものは感性ですから、人が生きていくという事は変わ
ること、すなわち作曲年代によって作風も変化すると言えます。演奏される
曲がチャイコの人生のどの位置にあるか、も重要なファクターと言えます。
チャイコも沢山の作曲家に影響を受けているでしょうし、反対に与えてもい
ます。多額の寄付を個人から受け取っていたにも関わらず、最後までその相
手と会うことはなく文通のみの付き合いだった、というエピソードも有名で
す。
シンバルについて簡単にアドバイスするとすれば、まずはチャイコのシン
バルの用法、音色を研究することです。ヒントを言えば、チャイコは特にシ
ンバルを単体で用います。そしてブレンド感よりソロ的な要求が多い傾向が
あります。勿論、その中でも演奏者の嗜好はありますが。
そして音楽の流れを意識します。力強い旋律が頂点でピッと襟を正すよう
な構成はチャイコらしさと言えるでしょう。チャイコのシンバルはこうした
音楽のメリハリ部分を担当することが多いと思います。そうした音を意識し
てみてください。
最後に、共に演奏している仲間とたくさん議論してください。
あ、すごく長いですね。とりあえずこのくらいにしておきますか。お、ぽ
にょ。さんの知りたいことに答えてないですね。すみません。でも頑張って
書いたので怒らないでください(汗
正直に申しますと、ぽにょ。さんの知りたいことというものは文字で伝え
られるものではないのです。みながそれぞれに工夫して、経験を積んで手に
入れてきたのです。たくさん悩んでください。たとえ遠回りでも、ほんの些
細なキッカケで全てが解決してしまったりします。そして悩んだ分はすべて
ぽにょ。さんの力になるはずです。