バブル絶頂期までの２０年間に日本の労働者の賃金は急上昇し２.８倍にも
なったのに、バブルが弾けた後の２０年間では僅か一割一寸しか下がってな
い。その時のデフレ率を考えると逆に上がったくらい。
民間正社員の給料はバブル絶頂期から殆ど下がっていない。高止まりしてい
るのである。
その間に株価は１／３に下がり、まだ半分も戻していない。
安倍総理は給料上げろ上げろと言って被雇用者に期待を持たせて、内閣支持
率を上げているが、海外に技術を漏らし、後進国に工場を作り、国内は空洞
化し、中国、韓国、東南アジアの国々は、日本製品並の製品をずっと安く作
れるようになり、手強い競争相手となってしまった。
これ以上労働者の給料を上げたら国際競争に勝てず、崩壊する。
だから、給料上がるは幻想に過ぎない。夢を持たせて支持率を上げているだ
けである。

民間正社員の平均給与４０８万円は平均給与１６８万円の非正規社員の犠牲
の上に成り立っている。
非正規社員を総て正社員とすると、平均給与は３４８万円になる。
これは日本人の平均所得３００万円とほぼ同じ額で、頷ける額である。

安倍さんの言う様に正社員の給料を上げたら、益々非正規社員の割合が多く
なり、給料も下がる。
一部正社員の生活を豊かにする為に多くの人が犠牲になる。
そこに庶民いじめの消費大増税が加わり益々貧富の格差が激しくなり、益々
歪んだ社会になって行く。
安倍さんの目指す社会とはそう言う社会だ。