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184音節は開音節・閉音節に分かれる。普通、音節は母音を核として子音(父音)を伴ふ。だから音節文字の假名は「母音を核とした子音と一緒の發
音」となる。ところが「ん(撥音)」や「つ(促音)」はその限りではない。
ところで一般的には「子音+母音」は開音節、「母音+子音」は閉音節と考へてよいが、國語の音節は開音節である。英語は閉音節が中心とな
る。また閉音節や開音節の正確な定義は、「母音」で終る音節を開音節、「子音」で終る音節を閉音節と呼び、撥音や促音は閉音節である。
手元の「広辞苑」は「ん(仮名)」に「鼻音」とあり、また[n,m,ŋ]とある。これは則ち子音であることを表し、閉音節である。「鼻音」は子音、
[n,m,ŋ]もまた子音だからだ。
辭書をつかはれる際は、調べたい語彙以外も澤山ひかれると宜しい。若し「鼻音」を「広辞苑」でひいていれば、「鼻音」を知らなくても「広辞
苑」の解説「鼻音は子音」から、「ンが鼻音」つまり「ンは子音」とわかるからである。從つてさういふ癖がつけば學習の效率が上がるだらうと
申し上げたい。
ほかにもいろいろな音聲學の分類がある。子音の一種である半母音[y, w]は母音を後續せねば子音として發音できないから開音節であるが、多く
の發音はかなり豐な組合せが存在する。音節の母音と子音は入換へが可能である。また母音だけの「あいうえお」もあれば、子音だけの「ん(撥
音)/つ(促音)」もある。なほフランス語に多い母音の鼻音は「鼻母音」と呼ぶので注意されたい。