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48 黒いのは日本によくいるヤブカ属の「ヒトスジシマカ」ではないですかね。春から秋まで活動して、その後は卵で越冬するので冬には現れません。
赤茶の蚊は、日本の住宅地に多い「アカイエカ」(写真)かもしれませんね。暖冬の影響なのか私の家でも近年、冬に見かけるようになりました。「アカイエカ」の亜種としてビルの浄化槽などで発生し地下鉄の構内やビルの地下街などで多く見られる「チカイエカ」の可能性もあります。「チカイエカ」は、暖かいと冬にも活動します。
アカイエカは、春から晩秋までの間に現れます。熱い夏には行動力が低下するのでそんなに活動的ではありませんが、寒さに強いので成虫のまま越冬できます。寿命は約30日程度なのですが、メスの場合、越冬時期は半年も生きるそうです。通常吸血するのはメスです。メスは春に卵を産むために休眠状態で越冬するのですが冬に吸血することはなく、オスは吸血をしませんし、冬の間に死滅します。
アカイエカは、日没から明け方を中心に吸血行動をする夜行性なので、就寝中に出てきて困りものですね。夜行性なので電気をつけていると侵入してこないこともあるそうです。
成虫の対策としては、網戸による侵入を防ぐのは当然(網目の細かい網に変えるとなお良い)ですが、蚊取り線香も効くようです。
蚊の侵入が最も多いのは窓の開け閉めや家の出入りのときです。私の場合は、バルコニーの出入口付近にリキッドタイプやゲルタイプの90日持つ虫よけを置いています。ちなみにローズの香りです。ホームセンターなどのプライベートブランドのものなら298円ぐらいで買えます。これで家の中に侵入してくる蚊をかなり抑えられています。
とにかく発生源を抑えないと個体を減らすことができません。少しでも水があれば卵が孵化してボウフラ(幼虫)が発生しますので、家の周りの水たまりをなくす必用があります。私の家の場合、発生源は、隣家の雨どいの水が滞留しているところです。通常とは逆に傾いていて、端っこに水が溜まっているんです。そこで発生しているようです。りんごさんの家の近くにもドブや下水溝など発生源らしき場所はありませんか?そういった汚水が滞留するような場所があったら、清掃して水の流れがよくなれば、少なからず個体数を減らすことができます。近くに水が溜まっていそうな下水溝があれば、定期的に殺虫剤をかけるなんてのも良いかもしれません。
少し離れた場所にバケツなどに水を張っておいておくなど、意図的に産卵させボウフラ(幼虫)を発生させる水場を作っておくという裏技もあります。ボウフラはフェロモンで成虫を呼び寄せ産卵できる場所を教えますので、それを利用して産卵する場所をバケツに集中させるんです。ボウフラが発生したら、バケツの水をドブや側溝ではなく乾燥しやすい道路などにぶちまけてやれば、やがて死滅します。
とにかく個体数を減らして産卵数を減らしていかないと増える一方です。
アカイエカの害としては、通常、刺されたときのアレルギー反応である腫れや痒みですが、それ自体はそんなに大きな害ではありません。吸血対象としては、犬や人も対象としますが、鳥類(特に家畜のニワトリ)を好んで吸血するので、近くで家畜のニワトリを飼っていたり、養鶏場などがあったら注意が必要です。どの蚊でもそうですが、蚊を媒介として人体に良くないものが入ってきて感染症にかかってしまうことがあるので、蚊に刺されないにこしたことはありません。
ちなみに、蚊取り線香の主成分は除虫菊という菊の葉から生成される物質「ピレスロイド」です。天然植物由来の殺虫剤で人体にはほとんど害はないそうです。昔ながらの蚊取り線香ではなく最近売られている蚊取り線香は「合成ピレスロイド」をしみこませているそうです。
「ピレスロイド」は、昆虫の神経を麻痺させる効果がある神経毒ですが、哺乳類への影響はほとんどないそうですが昆虫や爬虫類や両生類などには有害です。蛇やカエル、亀などのペットを飼っている場合は使わない方がよいです。哺乳類は大丈夫といってもハムスターなどの小動物には影響することもあるそうです。
人体にほとんど影響がないといっても、まったくないわけではないので、定期的に換気するなどして締め切った部屋では使わないでくださいね。