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61 お父さんの切れやすい、飲み物を延々とつくるという行動は、境界性パーソナリティ障害(BPD:Borderline personality disorder)、俗にいうボーダーでみられる症状です。
境界性パーソナリティ障害は若い女性に多くみられ、日本人の場合、50人に1人がそうだと言われています。もちろん男性にもいます。
人によりいろいろな症状がみられますが、見捨てられ不安が強かったり、感情が不安定で些細なことで癇癪(かんしゃく)を起こしたり、自らを苦しめる行動(過食・衝動買い・危険運転・アルコール・薬物など)を繰り返したり、他人に注意されると周囲の人間が悪いからだと思い込んだりなどの特徴があり、まともに関わってしまうと周囲の人は突然の異常な行動に振り回され、疲れてきってしまいます。
良い・悪い、好き・嫌い、快適・不快などの境界がハッキリしており、それらの度合を0か100の両極端で判断してしまうようで中間がありません。好きだと思ったら恋人のように好きになり、嫌いと判断したら親の仇のように嫌ってしまうので、些細なことで狂ったように切れてしまうんです。
まだそうだとは断言はできません、ご高齢ということなので脳に何かしらの器質的障害が起こっている可能性も十分に考えられます。パーソナリティ障害だというレッテルを貼るのもあまり良いことではありません。あくまで可能性として書かせていただきました。詳しいことは、ご自身で知らべてみてくださいね。
境界性パーソナリティ障害は、数あるパーソナリティ障害のなかで最も周囲の対応が難しい精神疾患の一つです。本人が自覚し治療をすれば、改善が期待できます。一般素人が簡単に対処できるようなものではありませんので、本気でお困りであれば、一人で抱え込むことはせず、精神科医や臨床心理士さんなどの専門家に相談されるしかないと思います。