お腹とおへそ。私にはお腹について2つの悩みがありました。1つは肥満体でもなく、運動不足で太っているわけでもなく、背も標準より幾分は高く、スレンダーな体形でもあるのに、胸骨の下部から下腹にかけて小ぶりなバレーボールの球が入っているかのようにお腹が突き出ています。胸骨の下部には「みぞおち」という窪みもありません。「出っ腹」「中に何が入っているの」「妊娠何か月なの」と言われたこともあります。小学生の時からの悩みでした。ウエストを引き締めようとして腹筋運動などをしましたが駄目でした。病院の検査等でも別に内臓が肥大していないとのことでした。私が無理して息を止めてお腹をへこませていると「出ているならば出ているでいいじゃない。無理しなくても。」と言われたこともあります。胎児のときに栄養状態が悪いとお腹の突き出た子が生まれることがあると聞いたこともありますが。
２つめはおへそです。私のへそには臍輪も臍乳頭もありません。つまり穴が開いてなく閉じていて中には何もなく表皮1枚がつるりとあるだけで、もちろんゴマはありません。恐らく臍処置もできないでしょう。
　どうして「みぞおち」のない胸と突き出たお腹なんだろう。どうして普通ののっぺりとしたお腹じゃないんだろう。どうしてゴマもひだも皺もない点べそなんだろう。どうして人間のへそじゃないとまで言われなければいけなかったのだろう。どうして普通のおへそじゃないんだろう。何も悪いことしたわけじゃないのに。一度おへそを見せた時、その人はちょっと戸惑いながらも自分自身のへそのごまをとって、私のおへそに入れようとしました。その時初めて人間のへそごまを見ました。思っていたより大きくて黒々としていました。自分の体の中では一度も形成されたことのないものだったので、まるで宝石のように見えました。気持ちだけで十分だったんですよ。
　こんなお腹とおへそを持った私ですが、今では外見よりも内面を磨くことに努めています。