チャッピーさん、初めまして。

チャッピーさんの悩みを聞いて、昔の僕を思い出してしまいました。１０代
の頃の僕は、今のチャッピーさんと同じように悩んでいたような気がしま
す。うまく相手に聞きとってもらえず、最後には怒鳴るような言い方になっ
た、ということも経験したことがあります。

りょくさんがアドバイスされている方法も効果があるのでは、と思っていま
す。たしかに、耳をふさいで話してみると、いつもよりは大きな声で話すよ
うになりますよ。それを確認する方法もあります。ご主人かお母さんに頼ん
で、ヘッドホンで音楽を聴いてもらいながら、チャッピーさんと会話をして
もらうのです。きっとチャッピーさんは、相手がいつもより大きな声で話し
ていることに気づくと思います。りょくさんが言われるように、耳から入っ
て来る音量に応じて、自分が発する音量を脳が調節するからなのでしょう。

僕にはもうひとつ提案があります。
チャッピーさんは、ビデオやテープなどでご自分の話している声を聞いたこ
とがありますか？聞いたことがあるとすれば、たぶんこれからお話しする提
案は、効果がないのかもしれません。

聞いたことがないのならば、一度ご主人などに、チャッピーさんがお話しす
る様子をビデオカメラなどに撮ってもらうといいと思います。お話しの代わ
りに小説の一部を朗読する、ということでもいいかもしれません。それを後
から見た時に、チャッピーさんはちょっとしたショックを受けるでしょう。
たぶんカメラを通して聞く声は、いつもの自分の声と違って感じるでしょう
し、話す際の口の開け方も、想像していたよりも小さく、口ごもるような話
し方をしていたことに気づくのではないかと思います。

テレビで、アナウンサーがしゃべったり役者がセリフを言う時、口をはっき
り、大きく開けています。それを見た人は、自分も同じように話をしている
と思いこんでしまいます。でも実際はそうではありません。たいていの人
は、口の開け方など気にしていません。アナウンサーや役者は、言葉を正確
に見ている人に伝えることが使命ですから、それなりの訓練もしています。
声量が必要なことはもちろんでしょうが、いかに聞き取りやすい話し方がで
きるか、が重要になります。

しかし一般の人は、通常は２、３人を相手にしか話しませんから訓練など必
要はないと思いますが、相手に自分の意思をはっきり伝えよう、と意識する
ことによって、言葉の聞き取りやすさも改善されると思います。たぶん口の
開け方も多少は変わるでしょう。

僕が初めて自分の声を客観的に聞いた時、想像していたものと違うことにシ
ョックを受けたとともに、これでは相手が聞き取りにくいのも無理はない、
と思いました。それからです、僕が話し方を意識しだしたのは。

気持ちの持ちようだけで、チャッピーさんの悩みもだいぶ改善されるので
は、と思っています。