かなり前のご相談に対するコメントですが、トランペットを吹く方が少なからず経験する「突然音が出なくなった」と悩んでいる方に、幅広く役にたてればと思い、投稿しました。どのような原因かは人により違うと思いますが、ヒントになれば幸いです。
例えば、それまでと立場が異なって、高い音を出し続けた方の場合は、アンブッシャが変わって上唇の振動する場所が変わってしまっている可能性があります。
吹奏楽で2ndから1stへポジションが変わって音が出なくなった場合などは、アンブッシャを元に戻す必要があります。低音が出せるなら、低音のロングトーンがかなり有効です。高音は禁物です。無理に音域を拡げずしばらく(2週間くらい)低音で吹いていると段々と元のアンブッシャに戻ってくることがあります。それから少しずつ音域を拡げていくのですが、出にくくなったら無理に吹かず、また低音を吹き続けることが大切です。
低音も出ない場合は、元に戻すというより、今のアンブッシャを少し変えるくらいの気持ちで、少しずつ変えてみて、ごく少ない息で低音が出るところを探し、上記の手続きで元のアンブッシャに戻ることができます。
吹奏楽からジャズのBigBandに変わった場合、音の高さや大きさ、タンギングの仕方などかなり変わるため、突然音が出なくなることが結構あります。この場合はアンブッシャを元に戻すことは出来ないと思います。そもそも戻すこと自体意味がありません。アンブッシャを一から作り直す気持ちで初心者のつもりでいきましょう。アンブッシャを変えることに抵抗があるかもしれませんが、それまでのプライドを捨てるつもりで頑張ってください。音が楽に出せる最適なアンブッシャを得られたあとは、それまでのテクニック経験を活かし、なんでもできる気持ちになると思います。経験は必ず無駄にならず活かせると思います。
これらのケースで、音が出るようになった場合では、今日うまくいったのに翌日は音が出ない、出にくい、などを繰り返すことが多いと聞きます。
そのときの頑張りが一番重要で、あきらめないことが大切だと思います。
ちなみに単純なことですが、以下の基本的なチェックも忘れずに。
・アンブッシャが上向き、下向きにかかわらず、きちんとあごを開く(突き出す)感じになっているか。
・吹く寸前に唇のまわりの筋肉が十分リラックスした状態になっているか。
・吹くときに唇の両横をきちんと下方向に引っ張る感じになっているか。
・下唇がきちんと振動を誘導し、息を塞いでいることがないか。
低い音を吹くときはより低い音を吹く感覚、高い音を吹くときは口をやや、すぼめぎみだと吹きやすいと思います。