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358この作品のタイトルを聞いて一番に出てくるのは、やはり喫煙シーンの件で
しょうか。私はこの作品についてはまだ拝見していないので本当はなんとも
いえない立場なのですが、お話の概要ではとりわけ未成年者にタバコを勧め
るシーン、肺を患っている恋人(配偶者でしょうか?)の目の前での主人公の
喫煙シーンについて問題視されているとか。
前者はいろいろな見方があるのかなというのが私の見解ですが、後者に関し
てはなぜそんなに問題になるのかなという気持ちではいます。
後者のシーン、主人公が彼女のことを考えて別の場所で喫煙をしようとする
と、余命いくばくもない彼女自ら喫煙場所はここでいいからそばにいてほし
いと懇願し、主人公がそれに応え彼女の傍らで喫煙するというシーンという
ことで、もしそのとおりの描写であったのであれば、私はこれはこのふたり
の間のひとつの愛の形であると認識できるし、またこのシーンの子供への悪
影響を親が危惧するというのなら、このシーンの本当の意味を包み隠さず、
きれいごとで済ませることなく語ればいいことだと思います。
大人がタバコに目を向けて観ようとするから子供も注目するのであって、大
人が堂々と構えていれば子供は間違った解釈などしません。バイト店員が情
けない姿をツイッター上にさらし続けているニュースが絶えませんが、あれ
はあの件を逐一ニュースにすることで他の人間が面白がって真似をしている
だけで、大人が勝手に騒ぎ立てているのを横目にふざけているだけです。そ
れと似ています。
子供の模範になる言動をとるべき大人が物事の本質から目を背け、その場し
のぎの体のいい言動をとり続けてきた結果とも言えると私は思っています。
どんな子であれ、子供は純粋です。取り繕った外見や内面に惑わされること
なく正面からぶつかりつづけていくことが現代の大人には必要なんだなと痛
感させられました。
最後に、カリオストロの城から主要な宮崎作品を拝見してきた経験から言わ
せていただきます。
宮崎駿は作品に不必要な描写は絶対にしません。この作品をもって引退され
るということで、宮崎さんお疲れ様でした。作品にはならなくともこれから
もこの日本の有りようをずっと見守り続け、的確にコメントして頂けたらあ
りがたいですね。